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(7) ビジネスモデル再構築のヒント

 アメリカで聞く常套句に「中国語では危機(クライシス)の中に機会(オポチュニティ)がある」というものがあります。今回のパンデミック危機で、多くの企業がビジネスの見直しを迫られていると思いますし、そこには新たなビジネスチャンスを見出すきっかけがあるかも知れません。今回はこうした場合に役立ちそうなヒントを3つご紹介します。 

1.投資領域の棚卸しをする

「製品」と「顧客」の2軸を、既存・周辺・新規で分けると3x3のマトリックスができます。これを使って過去の投資実績を分析してみると、イノベーション重視を標榜している会社でも、周辺や新規部分への投資は全体の数パーセントしかないことが多いようです。業界にもよりますが、新規の部分に5%から20%の投資が望ましいとされています。 

2.製品だけではなく「ビジネスモデル」と「顧客接点」のイノベーションを起こす

製品の改良や新製品の投入は誰でも考えつきますが、経済的価値を生み出すのは製品に限りません。ビジネスモデルのイノベーションは、例えばサブスクリプション型課金、アウトソーシング、オープン開発など。顧客接点のイノベーションは、直販、ブランド&エクスペリエンス戦略などです。こうした新しさの組み合わせが多いほど強力な差別化要因になります。 

3.根本原理に立ち戻って考える

これはテスラCEOのイーロン・マスクが提唱して有名になりました。問題に直面した時に、絶対確実な前提まで立ち戻って考え直します。例えば飛ぶという問題に対して、鳥と飛行機は違うソリューションに到着しましたが、どちらも大気中では同じ物理法則に従っています。その原理まで戻れば別のソリューションの可能性が出てきます。目先の現象に囚われず自由度を最大にして思考することです。