事例紹介

業務・統制

今までに提供してきたサービスの一例をご紹介します。

米国法人のガバナンス改善

輸送機器メーカーA社は、コストの低い米国南東部に製造子会社を持っていた。製造子会社は現地の有数の雇用主であり、社員もプライドを持って仕事をしていた。また、製造品の品質も社内基準を満たしていた。しかし、一人のベテラン現地採用社員がほとんどの経営判断をしており、全米レベルの改善プロジェクトにも協力的ではなかった。日本本社は人事や不正リスクを懸念していた。USJPは、経営資料の精査や現地採用社員との面談を通じて、製造子会社のガバナンスをレビューし、権限規程の修正、経営報告の内容変更などの改善案を用意した。その後、A社は改善案の大半を導入して経営の透明度が増した。

業務プロセスの効率化

リテール業のB社は、店長の自主性とマーケット知識を尊重し、全米各地の数十人の店長が発注量を決定する仕組みを採用していた。そのため、本部で購買データを分析し、コストダウンを支援することが困難であった。USJPは、B社の発注から支払いまでの業務プロセスを分析し、集中化、標準化が可能な部分と、そうでない工程に分類した。標準化が可能な部分に関しては、サプライヤーの請求書をOCRシステムで読み取りPOデータと自動照合するクラウドサービスを採用し、それ以外のプロセスでは、簡単なワークフロー・ツールを導入することで決済のスピード化と承認資料の電子化を実現した。これらのツールは、米国で普及している汎用的なものであり、その設定は比較的容易であったが、本部と店長が行うプロセスの設計においては、合理性と実用性のバランスを取ることに細心の注意を払った。

J-SOX評価作業の合理化

レジャーサービスC社は、J-SOXの年次評価作業を米国の会計事務所に外注していた。会計事務所のサービスチームがJ-SOXより要件が厳格な米SOX法に慣れていることもあり、必要以上の粒度で内部統制を評価していた。その結果、承認や確認手続きは詳細に定義され、不正リスクなどは充分に管理されていた。一方で親会社以上の承認手続きが必要なプロセスもあり、業務が非効率であった。また、内部統制の評価も年間に数回行われ、社員に対する負担が大きかった。USJPは、キーコントロール数を半分以下に削減したうえで、年に一度だけ運用テストを行った。その結果、残存リスクを高めることなくJ-SOX対応の社員の負担や外注費用を半分以下に削減した。

J-SOX評価および内部監査の代行

精密機器メーカーD社は、内部統制報告制度に対応するため、また業務監査を行うために米国法人に1名の内部監査人を配置していた。しかし、1名で行える監査作業には限界があり、年度末のJ-SOX評価作業では在庫管理と経理ばかりを監査し、経営陣と一般社員の両方からその効果に疑問を持たれていた。USJPは、3名の異なるスキルを持つコンサルタントを動員して、内部監査人からこれらの作業を引き継いだ。毎年のJ-SOX評価作業は、2名のコンサルタントがパートタイムで8週間ほどで実施し、年間2-3件の内部監査を行った。結果として、今までカバーされていなかったITプロセスなどが監査される体制になった。J-SOX統制も、自動コントロールへの依存度が増え、合理的になった。クライアントは、これらのサービスを正社員1名分と同等のコストで受けれるようになった。

上場のための内部統制整備 

全米で事業を展開するE社は、米国での上場を計画していたが、米国上場企業に必要とされる内部統制の仕組みを持っていなかった。USJPは、まず内部統制の現状を評価し、その後、約2年で内部統制の仕組みを段階的に整備した。支援範囲には、財務報告の基本方針決定、購買、在庫、会計などの業務手順の作成、ITポリシーの作成、ITセキュリティの改善、経理システムの合理化、承認システムの導入、社員教育、内部統制監査の予行演習などが含まれた。その後、E社は計画通りに上場と資金調達に成功した。

内部監査の共同実施

機械メーカーF社は、米国で複数の同業者を買収して事業を拡大していた。一部の買収会社は、規模が小さいので本社は駐在員を派遣していなかった。安定した経営を担保するために内部監査が必要だったが、本社内部監査室には、米国人が運営する会社を監査できる人材がいなかった。USJPコンサルタントは、本社内部監査メンバーの往査に同行し、米国の商習慣を説明しながら、現地人社員の聴取や資料の確認などを支援した。

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