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(3) Generation Z とグリーンニューディール

 Covid-19がニュースのヘッドラインを独占する前に大きな話題になっていたのは、気候危機への対応を訴える若者たちの運動の盛り上がりでした。 もっともらしい言い訳をしながらもStatusQuoを変えようとしない大人たちに対する若者の怒りは、ヨーロッパから始まり全世界 に広がりました。

 ここでいう若者は「Generation Z」と呼ばれることがあります。1996年以降に生まれたGen-Zはアメリカで人口の約25%を占めます。 Gen-Zはデジタルネイティブとも言われ、スマートフォンとSNSを使いこなす環境に育っています。 Gen-Zの考え方は他の世代より進歩的で、社会問題の解決について民間よりは政府に期待しているといわれます。 環境問題への関心も高いようです。

 ビジネスの世界でも環境問題はブームになり、2015年に提唱された国連のSDGs(持続可能な開発目標)は日本でも企業経営の「ヒント」に使われました。 日本では先行した「スマートシティ」が今ひとつビジネスの種にならなかったこともあり、環境が経営のアジェンダに乗り切れていない感があります。 国民の気候危機に対する認識も先進国の中では高いとは言えません。

 Covid-19のパンデミックでグローバル経済は2020年に5.9%収縮するとIMFは予測しましたが、その反面、ロックダウンが続いたインドのニューデリーで青空が戻って話題になりました。 ドイツでは今の(低下した)温暖化ガス排出レベルをキープするための構想を政府が推進しています。 アメリカ民主党も経済刺激策として7000億ドルのグリーンニューディールを提唱しました。 それが現実になるかどうかは11月の選挙を待たないと分かりませんが、政権が交代すれば大きな影響があるでしょう。 世界的にGen-Zが経済的にも政治的にも影響力を持ち始めています。 日本企業にも今まで以上にグリーンビジネスの機会があるのではないでしょうか。